シングルパパ、Big Daddy、時々旅人

会社では部下や若手社員のBig Daddy、家では二人の子どもをワンオペで育てるシングルパパ。そして趣味は海外旅行。人生に福あり。

嫁さんの病気のこと ①ガン宣告

嫁さんは乳ガンと6年間闘い、天に召された。医療の限界もあったのかもしれないが、今も後悔しかない。

下の子が生まれ、待望のマイホームで幸せを噛み締めていた。嫁さんの希望で子どもたちは母乳で育てていたが、ある時、しこりがあることに嫁さんが気付く。相談されたが、1人目の時も乳腺が詰まって固まることがあったので、次の乳児健診の時に産婦人科の医師に相談することにした。健診では医師は触ることはせず、「乳腺が詰まっているのでしょう。よくマッサージしてください」と指示があったので、そうなのかと安心して、そのことは忘れていた。

それから2ヶ月ほど経って、症状が全く改善せず、しこりが大きくなっていると嫁さんが言うので、触ってみると5cmくらいになっている。この辺りから乳ガンの可能性を意識し始め、会社の福利厚生で配偶者が無料で使える健康診断を予約すると言いつつ、仕事が多忙なのと「大丈夫」という変な自信があったので、2週間ほどが過ぎる。さすがに心配になった嫁さんが近所の病院で検査を受けるも、この病院では判断が出来ないということで、紹介状を書いてくれた。その招待状の宛先は、千葉県がんセンター。

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急に恐怖感に襲われる。それでも、嫁さんが36歳と若い年齢であることから、大丈夫だという根拠のない自信があった。子どもたちを預け、嫁さんと2人で千葉市にある千葉県がんセンターへ。午後の診察だったので病院の近くの食堂で昼ご飯を食べたが、この時はそんな大きな不安は無く、「良性の腫瘍ですね」と診断されることを想像していた。

そして診察へ。がんセンターというだけあって、大きな病院の建物内は全てあらゆるガンの診療科で、来ている人たちも全員がガン患者とその家族。重く苦しい空気が漂う。行くのは乳腺外科。中村先生という若い医師が担当だった。触診、MRI、血液検査などの検査の後、改めて呼ばれ、医師から伝えられた。「ステージII B期の乳ガンです。5年生存率は50%というところでしょう」。

奈落の底に突き落とされた気分だった。息子はまだ1歳、娘も6歳になったばかりだ。さっきまでの自信は何だったんだ。医師が言っていることが受け止められず、徐々に聞こえなくなってくる。ふっと横を見ると、嫁さんは顔色ひとつ変えずに医師の話を聞いている。どんな治療が必要なのか、このままがんセンターに通うのは大変なので、もっと近い病院で治療できるのかどうか、などを医師に確認している。ガン宣告をされたのは嫁さんなのに、何で俺のほうが動揺してるのか。

紹介していただいたのは、船橋中央病院の中野医師。その場で電話を掛け、紹介状を書いていただく。前の職場だか大学だかが同じで、顔見知りの様子。信頼が置ける医師なので安心して欲しいとのこと。

病院から家に車で帰る際に、嫁さんが一言。「治そう!あなたは動揺してるから、私が運転するわ」。

自分が情けない。

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