シングルパパ、Big Daddy、時々旅人

会社では部下や若手社員のBig Daddy、家では二人の子どもをワンオペで育てるシングルパパ。そして趣味は海外旅行。人生に福あり。

嫁さんの病気のこと ⑧ラスト・クリスマス

嫁さんの余命宣告を受けてからは、週2日だけ会社出勤、残りの週3日は自宅勤務となった。部長という責任ある立場でありながら、寛大な対応をしてくれた会社には感謝しても感謝しきれない。

僕が会社に行っている日は、病院の紹介でヘルパーさんが来てくれることに。嫁さんは嫌がったが、それが退院の条件だと嘘をつき、承諾させた。

これから回復に向かって、何も無かったように元気になる淡い期待を抱きつつも、嫁さんとの限られている時間を目一杯過ごすことを考えた。治るためには体力をつけなきゃと、自宅勤務の日は毎日近所のドラッグストアまで歩き、一緒に買い物をした。一緒にヒルナンデスを見ながら昼ご飯を食べた。幸せだった。

いつまできちんと話しが出来るか分からない、今のうちに会っておいて欲しいと、四国の家族に来てもらった。もちろん嫁さんにこっ酷く怒られたけど、家族と話す嫁さんの幸せそうなこと。来てもらって良かった。

息子の誕生日には、息子の希望通り、唐揚げタワーを作った。8歳の誕生日を迎えた息子は随分と大きくなった。嫁さんのことで頭がいっぱいになっている間に成長したんだな。息子を溺愛している嫁さんは、もちろんこの日を心待ちにしていたので、楽しそうだった。

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その後に僕の誕生日がきた。嫁さんと娘がケーキを作ってくれた。他のメニューはうちの定番のローストビーフとちらし寿司。世界で一番幸せな誕生日を過ごすことができた。

クリスマスも嫁さんと娘が一緒にケーキを作り、僕がチキンを焼いた。息子は殆ど役には立たなかったけど…、家族4人で料理を作り、家族4人で一緒に食べた。このまま時間が止まればいいのにと、本気で祈った。子どもたちへのクリスマスプレゼントは、嫁さんとトイザらスで買ってきておいた。サンタさんからのプレゼントと、パパ&ママからのプレゼントをキレイにラッピングし、ツリーの下に置いた途端に息子が起きてきて、夜中にプレゼントを開けて遊び出すことに…。

毎日がカウントダウンだったが、無事に新年、2016年を迎えることが出来た。元旦はイオンの初売りに行き、例年通りの何ていうことない正月を過ごしている。この特別感のない”いつも通り"ということが、逆に嬉しい。そして他の正月の楽しみと言えば、嫁さんの場合は箱根駅伝。2日の往路では去年に続き青山学院大学が優勝。嫁さんが朝から声援を飛ばし、いつも通りの正月の風景。3日の復路も青学が制するか?

だが、嫁さんが翌日の箱根駅伝を見ることは叶わなかった。

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